2005年9月20日

《アサーティブコミュニケーション》

「アサーション」とは、元々は「主張・断言」の意。転じて、相手を傷つける事無く自分の気持ちや考えを伝える事を指す。
我々ビジネスに携わる人間は受動的でいてはならない。自分の主張や判断というものを的確に相手に伝える事が要求されている。しかし、その伝え方というものが攻撃的で相手が傷ついてしまうようでは、いくら主張そのものが正当で有意義なものであったとしてもビジネスシーンでは自分の主張を活かす事ができない。
特に価値観が多様化した現在では「主張の内容」と同等以上に「主張の仕方」も重要になっている。もはや、上司・部下といった会社組織で結ばれた関係であったり、顧客・サービサーといった契約で結ばれた関係であったとしても、立場が上位の者が高圧的に要求しても相手にこちらの希望を十分に叶えてもらえるとは限らないのだ。
アサーションの理論では、コミュニケーションを大きく3つに分けて考える。アグレッシブ(攻撃的主張)、ノンアサーション(非主張)、そしてアサーションである。
いくら自分の意見が正しくとも、攻撃的な主張では通らないし、いくら相手に配慮しても自分の主張をいえないのでは仕事にならない。つまりビジネスマンはアサーティブな能力を必要とされているのだ。人によっては常にアグレッシブであったりノンアサーションであったりする事もあるが、多くの人は自分や相手の立場によってアサーティブに発言できない事もあるだろう。部下や下請業者に対してアグレッシブであれば、感謝の気持ちをもって改めるべきだし、上司やお客様に対してノンアサーションになってしまう人は、もっと相手を信用して素直に、率直に、丁寧に、必要な事を述べるべきだ。どんなにこちらがアサーティブに対応しても、受け入れられないこともある。それで相手が怒り出してしまったら、それはそれできちんと調整する。けして論破する必要はないのだし、自分の考えを完全に相手に理解してもらう必要も無い。
我々が重視しているコミュニケーション能力はこういったものだ。けして全てを受け入れてくれるイエスマンが欲しいわけでもなく、相手の立場や心情も理解できない論客を必要としているわけでもない。
特に若い人とある程度経験を積まれた方には不足している能力ではないだろうか。