2007年10月24日

ブレーキ

車やバイクをより早く走らせる要素としては、アクセルよりもブレーキの方が重要だ。単純に踏めばスピードのでるアクセルとは違い、制動には細かいテクニックが要る。そして何より早く走る為のブレーキには勇気が必要だ。
成長街道を突き進もうとするベンチャーにとってもブレーキを意識する事は大切になる。
ブレーキ、というと成長の先にゴールを見据える経営者としては、どうしても嫌な響きに聞こえるのだけど、実力に合った評価、体力に合った成長は、急拡大や急成長よりも確実にゴールへの最短距離を進む事になる。
誰しもが「期待に応えたい。誰かを守る為ならば。」とアクセルを踏み続けてしまうところに、ブレーキをかける判断は勇気がいる。何かの要因によって拡大し続ける事を義務付けられた組織には、止まったり退いたりする事が認められなくなってしまうのだろう。
赤福を始め、現在騒がれている食品関係の不祥事は、アクセルを踏み続けてブレーキを踏めなかった結果かもしれない。
マスコミの報道のように「利益や会社業績の為に法律を無視した」と断罪する事は容易いと思うが、経営者や従業員達がブレーキを踏めなかった理由をきちんと調べる事が大切だと思う。
その上で、あるべきタイミングでのブレーキの踏み方を、我々経営は学ばなければならない。
ベンチャーもそろそろアクセルだけ踏んでいれば脚光を浴びる時期から抜け出さなければね。