2013年9月29日

フィールドエンジニア

当社はフィールドエンジニアリングの会社だ。

フィールドエンジニアというのは、お客様先にご訪問して導入・設定・保守等のサービスを行うITエンジニアで、プログラマだったりシステムエンジニアだったりするところとは業務の守備範囲が異なる。

サービスエンジニア・カスタマーエンジニア等と呼ばれたりもする。

当社は、大企業や官公庁などいわゆるエンタープライズをメーカーの下請けとして行うスタイルを得意としているけれど、中小企業向けのコーポレートソリューションを得意としているところや、一般家庭向けのコンシュマーを得意としているところなど、同業者でも特色は色々ある。当社も一応全てに対応している。

 

作業者もどこを向いているフィールドエンジニアかによって、必要となる技能や常識が大きく異なり、それぞれをきちんと説明できる人というのはなかなか存在しない。多くは自分たちこそ常識的だ、とそれぞれ特化してしまっている。

まず当社の主力である、エンタープライズでは、「作業者は勝手な判断をしない」が全てのベースとなる。コントロールするセンターが作業内容を全て取り決め、イレギュラー情報を全て吸い上げ、決定した対応を作業者に伝えて作業を行う。切り分けの前提となる予備動作が行えないことから、いわゆる「スキルが高い」人が問題行動を起こしやすい分野で、ここのノウハウは一般的には常識的では無いことも多く貴重なものだ。

次に中小企業、いわゆるコーポレート対応のソリューションでは、「解決力」がベースとなる。試行錯誤や短時間でゴールにたどり着くための切り分けの優先順位、トラブルシュートのための引き出しの多さ等、一般的にイメージしやすい「技術力」がものをいう世界だ。属人的なノウハウが多く、単金も難易度によってバラつきが大きい。

そして最後にコンシュマー。コンシュマーも直接契約型と、量販店や回線業者、プロバイダ等を経由したBtoBtoCタイプがある。直接契約のBtoCタイプでは、直収になるので金額を回収するスキーム作りやクレーム処理等のノウハウが大切だし、BtoBtoCタイプではセキュリティの厳しさや単金を採算ベースに乗せられるかなどの課題をクリアする必要がある。作業者のスキルとしては、完結力に加えて一件当たりの訪問時間を短縮していく効率性が求められる。

 

しかし、総じてフィールドエンジニアの仕事は楽しい。役に立っている実感が直接味わえるし、プログラマなどのデスクワークにはない魅力がある。だから一回この業界にきてしまうとずーっとフィールドエンジニアで良いかなと思ってしまう人は後を絶たないし、ある程度年をとっても続けられる職種だとも思う。