2005年9月24日

《インシュアランス》

最近は、平常業務を皆が積極的に担当してくれているから、社長業の部分を行う事ができる。
タクティクスの権限を委譲したならば、遅々として改善されないでいるストラテジに取り組まなければならない。
黎明期ベンチャーでは、資金繰りといったような攻めの戦略についてももちろん弱いのだが、守りについては更に後手に回ってしまう。
守りの企業戦略とは、会社のカテゴリでは「労務」であろう。社会保険・厚生年金といった基本部分ですら、ベンチャーにとっては苦しい。ここの部分について歯を食いしばって頑張っていると、ついついそれより上を見る事が億劫になる。ある程度売上が確保できるようになった現在でも、リスク管理の為にコストをかけるのは、資金的に見ればやはり苦しい。しかしアクシデントとは機会を見てやってくる事は無いのだ。
忙しい事を理由にリスク管理を考えない、というのでは、経営者としては失格であろう。事実事業の拡大と共に、アクシデントによる何かしらの損失というものは現在増えてきつつある。大きな問題になった事例というのは無いが、考えられるリスクを挙げてみよう。
第一に、自動車関連のアクシデントだ。ぶつけた。動かなくなった。それ自体も仕事中に起これば問題であるし、さらにそのために怪我をしたり、仕事に穴が開いたりというのは、関係者全員にとってとてもつらい状況になる。
第二に、破損や情報漏えいによる賠償責任である。意図的でないにしても、うっかり設置中にパソコンを落としてしまったり、手順書を現地に置き忘れてしまったりという事が無いとも限らない。もちろんお客様との信頼関係でフォローする事がもっとも大切であるが、いざ損害を賠償するケースになった時に事前準備ができているのといないのとでは、リスク管理状況として大きく異なる。
第三に、業務上の怪我や事故に対する備えである。入院ともなれば費用も大きいし、機会損失も大きくなる。第一に挙げた自動車に限らず、業務上のリスクというのは仕事をする以上看過してはおけない。
ともあれ、「今まで上手くいっているから対策を考えない。」という事ではいけないということだ。細かいアクシデントで警笛が鳴っている今こそ、先手を打っていかなければならない。