2014年2月15日

待機

当社のお仕事は、「待機」と切っても切れない関係があります。

イレギュラー発生時報告を上げてからの待機。他業者の施工待ち待機。全拠点のリプレース後の疎通確認用待機。終了退店前の確認待ち待機。そして、リーダーがコントロールしきれない状況待機。

どれも実際の現場で良くある待機指示です。待機と言われたら、待機です。待機も仕事の一つ。

それが理解できず「何待ちだーっ!」と叫んでも何もなりません。関係各社の信頼関係が崩れるだけです。

当社は作業者教育の際に必ず「待機」に関しては説明します。しかし、お客様が手配した作業者が暴れているのを見かけた事もありますし、残念ながらパートナーからお手伝い戴いた作業者が文句タラタラでクレームになった事もあります。

イレギュラー時の待機では、絶対に自分判断の切り分け作業を行ってはいけません。ピタッと止まるのが原則。

他業者施工待ち待機は、良い待機です。自分たちの作業が全体作業工程の中でのボトルネックにならないため、多めに人員を充てたりした場合に発生します。

全拠点疎通確認前待機は、ルーター交換案件等でよくあるのですが、技術者の少ない地方エリアで畑違いのおじいちゃんが頑張っているケースもあるのです。統制をいくら急かしても仕方なく、全拠点から全拠点に疎通が確認できるようになるまではじっと待機です。

退店前確認待ち待機。チェックシートの漏れが無いか、忘れ物が無いか、統制の退店許可が下りているか。そういう待機は品質向上のため、必要な待機です。現場は現場だけ終わっただけでは完遂した事になりません。退店前の待機は必要な待機です。

リーダーコントロールがうまくいっていない待機は、リーダーワークのなれない会社が音頭を取って作業したり、多人数で作業を行うのに適切なグループ分けやサブリーダーを配置しなかったときに良く見られる待機です。この業界、リーダーワークが上手にできる人は上流まで含めてもそれほどたくさんいるわけではありません。ノウハウの豊富な作業者はリーダーのサポートを適切にしてあげて負荷を分散させてあげましょう。

 

最後にもう一度。「待機」も仕事の一環です。お客様からみてダラダラしているように見えないよう、目立たないところで穏やかに待つ。

手順書遵守って聞いた事ありますでしょうか。

大きな案件では、統制部署があり、手順書があり、作業付託されている権限がきっちり決められてあります。

作業者に求められているのは、ソリューションに必要な試行錯誤や切り分けの引き出しの多さ、というものでは無くて、手順書通りきっちり行うという基本姿勢と、切り分けを行うのは作業者ではないという作業守備範囲の正確な認識だ。

自前で法人顧客を持っているソリューション中心の会社が、スキルが高いのにクレームだらけになってしまうのは、この手順書遵守というものが理解できないからだろう。

たとえば、手順書に誤りがあってその通り行ったらエラーが出るなと知っていた場合。

作業者に求められているスキルというのは、手順書通り作業を行い、(思った通り)エラーを出して、確実にヘルプデスクに報告を上げ、ヘルプデスクの指示通りに対処するという事だ。けして、回避するための何かを指示なく行ってはいけないし、エラーメッセージをOKで消してもいけない。イレギュラーが発生したら、ピタッと止まってすぐに報告、自己判断は厳禁である。

そして、作業当初想定していなかった状況が発生し、統制からの指示が下りた場合。

「最初からの依頼内容ではない作業のためできません。」は許されません。統制指示遵守です。あまりに作業工数が膨大になり、当日裁けないと思った時でも、作業者から統制へ直接拒否の意見を出す権限はありません。追加作業が吸収しうるかどうかの判断は商流に沿って相談を上げてください。

 

このあたりのノウハウや意識付けができているかどうか、業者さんによってはソリューションを中心に行っていたり、あるいは工事を中心に行っていたりして、文化背景を理解できない事が良くあり、丁寧に手順書遵守の意味を説かなくてはなりません。パートナーに提携をお願いする際にもこの点はいつも丁寧に説明するように心がけています。