2006年1月19日

《本来であれば》

今回のライブドア事件、一つ一つを見ていけばグレーゾーンだ。どちらかといえば白に近い。
本来裁かれるべきは、不完全な取引システムを構築・運用して欠陥を放置してきた証券業界そのものだと思う。マナーの悪いプレーヤーを排除したい、その気持ちはマーケットに携わるものであれば共通する想いだ。そのプレーヤーの行いで損をする側の人間であればなおさらだ。しかし、このライブドア退場劇は、アンフェアだと思う。少なくともマーケットを停止させてしまった東証や業界関係者の罪は”マナーの悪い個別企業”よりもずっと重いと私は思う。
まず前提知識としてライブドアの大量分割を利用した錬金術について産経新聞の記事の説明がわかりやすいので見てもらいたい。
私自身の意見としては、株式の売買金額の小口化は一層の株式取引普及に欠かせない要件だと思っている。そのための分割も賛成だ。問題があるとしたら現行の分割制度そのものであって、不備を知って改善していない業界の体質そのものだと思う。そして、不備を突いて利益を上げる手法は違法でなくともマナーには外れる。不埒者に対しての対処が公平性を欠くのでは、信頼される裁定者には絶対になれない。
証券業側の立場としてわかりやすいのが、こちらの記事
思うに、ライブドア本体が100分割したのと、今回ライブドアマーケティングを100分割したのと、手法として変わりは無い。違法性もどうレベルであろう。しかし今ではライブドアは自らも証券業を営むグループ企業ではないか。投資家は今では自分の関連企業のお客様でもある。お客様を欺き続けて自社の利益を追求する、そんな姿勢がマーケットからの退場を余儀なくされた背景にはあるのだと思う。