2005年2月1日

《一歩こちらが退いて見てはじめてわかる事がある》

月末月始にまたがって、夜勤をするのは初めての経験である。
毎月この時期は、色々な事務処理が重なるために現場に出るのは出来るだけ避けたいのだが、実際に仕事が集中するのはこの時期でもある。いつまでも消えないであろうジレンマの一つだ。
私には、人にはあまり見せたくない「絶対に退けない」部分がたくさんある。時にそれは他人から見ると本当にくだらない事に映るとも自覚している。しかしながら、この退けない部分というものが、起業家になろうとする人に共通する激しいサガみたいなものでもあると思う。
だからこそ、それ以外の部分では自分から一歩下がる様に心がける。何もかも最前線で何もかも退かず頑張っているようでは、「交渉」というものは成立しない。退いてみて初めてより広い視野で新しい発想で、物事に取り組む事が出来る。歩み寄る事が出来る。新しいトレンドに乗る事が出来る。
そして、我々のような小さな企業では、大きな企業の「絶対に退けない」分野で一歩下がって仕事をもらう。こうして力をためる第一歩を刻む事が出来るのだ。
一時の撤退は敗北を意味しない。目的を達成し、退くべき時に退けるものだけが名将と云えるのだ。