2005年3月23日

《交渉》

仕事というのは、突き詰めて云うと交渉の連続である。
そこに利益が絡み、思惑が絡み、良心が絡み、責任感が絡む。
誰もが満額回答を用意しているわけではないので、そこはいろいろなものと綱引きになる。
モノポリーでも同様だが、交渉の真髄は相手に喜んでもらいつつこちらにとって良い条件を引き出す。
あるいは、相手に申し訳なく思ってもらいながら、こちらの十分な条件を引き出す、というところにある。
だからこそ、目立つところでは自分から折れてあげて相手を引き立てることも重要であるし、いわゆるオマケを惜しんではならない。
そして、肝心な部分としては、「相手が苦しいと思っているところを積極的に引き受ける」ことに尽きる。
人は苦しいときに助けてもらった相手に対して否とは云いにくいものだろうし、自分を省みても苦しいときに助けてくれた人にはできるだけの事をしたいと思う。
そして、人の苦しいところがわかってあげられるような優しさが身につけば、交渉は自然にうまく進む。
利は極めにあればいい。交渉の肝は情にある。