2008年8月10日

ソーシャルベンチャー

世代ごとにベンチャーを色分けていく時に、
1.70年代以降のベンチャーブームを支えてきた第一世代。
2.90年以降のネットバブルに乗ってガツガツと利益に走った第二世代。
3.そして第二世代の背中を見て若くからインターネットに親しんだ、ウェブ2.0に代表される第三世代。
我々ナナロク世代等もこの第三世代ベンチャーになるのだろうと思う。
そして今、大きなムーブメントになっているのはその次の世代。
テーマはきっと「ソーシャルベンチャー」だ。
我々は「自己責任の刃」に晒されて社会を泳いできた世代だ。
同世代には就職氷河期を泳ぎきれず、今もワーキングプア一直線で社会からはじかれ続けてきている人も多く、社会問題になっているのは周知だと思う。
そんな中、既存の社会の枠組みとは違うところで仕事に対するアイデンティティを見つけよう。仕事自身を楽しみたい。まずは自分が幸せになりたい。そして自分の仲間達を幸せにしたい。そう考えながら独立したのが我々の世代だ。
だから我々第三世代というのは、どちらかというと社会的な問題点とは少し距離を置いた「自己実現の起業」という側面が強いのだと思う。
今のソーシャルベンチャーの流れは、「自分中心」から「社会中心」へのゆり戻しなのかもしれない。
それは、第二世代までが歩んできた「会社中心・利益中心」とは似ても似つかないものだし、第三世代が自分の周辺に幸せの範囲を限定しがちなところから、対象を社会に広げていく流れともいえる。
しかし一方で「社会の公器でありたい」という社会貢献に根ざす考えは、どの世代のベンチャーであっても必ず抱いてきた「理想」の一つであることは間違いない。
ただその手段や経路が違う事と、会社としてのもう一つの至上命題である「収益性」をどのように解決していくかというスタンスの違いでもある。
実際、社会起業家の多くは自己犠牲の上で組織運営していくケースも多いだろうし、経済的な犠牲を社員に押し付けてしまうとすれば、高邁な理想も霞んでしまう。
だから、私は今の自分にできることから、そして自分の周辺から社会にリーチする幸せの形を目指して生きたいと思うし、これからの社会起業家の方達とはビジネスを通した形の付き合い方を考えていければと思っている。地に足をつけたビジネスや自分の周囲から幸せにしたいという従来のスタンスは非難される事は無いのだ。
目に見える理想の形が立派なほど、現実との乖離は激しいものだ。ソーシャルベンチャーで起業・・と考えている人にこそ、今まで以上に慎重な創業を目指して欲しい。会社というのは、身を預けてくれる人達が幸せになる事も使命の一つだし、利益を上げて税金を納めることも立派な社会貢献の形だ。社会貢献をビジネスの形で解決するのは、想像以上に難しい事だろう。
そして、我々もその理想に触れ、学ぶ事がたくさんあるはずだ。「稼いだ利益を何に振り分けるか」という問題は社会起業家が増えるほど重要なテーマになるだろう。アプローチの仕方はそれぞれだろうが、企業は社会に認められなければ今後は生き残っていけない。
ソーシャルベンチャーである事は、ベンチャーの生き残る必要条件の一部に変わっているのだ。