2025年9月4日

サービス価格改定に関する基本方針

1.はじめに

当社の22期決算は、売上高が前期比で減少(11.1億円→10.3億円)し、営業利益も大幅な減益(2,280万円→120万円)となりました。この急激な業績悪化は、当社がお客様に提供するサービスの品質と安定供給の継続性に重大な影響を及ぼしかねない状況です。

この現状を踏まえ、当社の事業の持続可能性と、お客様への最高品質のサービス提供を維持するため、継続的な価格改定を実施させていただきたく、下記のとおり基本方針を策定いたしました。


2.価格改定の必要性と背景

22期決算の業績悪化は、主に以下の要因に起因しています。

人件費・コストの高騰: IT人材の市場価値上昇に伴う社員の人件費増、および業務委託者(フリーランサー)やパートナー各社(サプライチェーン)の価格上昇がコストを大幅に押し上げました。当社の平均サービス単価は人日あたり約20,500円(経費含まず)と、年々インフレ下にある市場の適正価格から乖離しており、この状況が収益を著しく圧迫しています。

人材不足と調達力の減少: 適切な対価での人材確保が困難となり、結果として新たな受注機会の喪失につながりました。このことは、売上減少の直接的な要因となっています。

単価構造の圧迫: サービスの対価である平均単金23,500円/人日のうち、約12.7%にあたる3,000円/人日は交通費・宿泊費などの経費であり、純粋なサービス提供料は約20,500円となっています。お取引開始以来殆ど改定が行われていないお客様を中心としてこの平均価格とも乖離している受注が当社の事業継続を脅かす水準となり、直近の業績に深刻な影響を及ぼしました。

インフレ下における継続的な価格改定は、これらの課題を抜本的に解決し、お客様への安定したサービス提供を将来にわたって約束するために不可欠な意思決定となります。


3.お客様への影響緩和と今後の取り組み

価格改定後も、お客様へのご負担を最小限に抑え、より大きな価値を提供できるよう、以下の取り組みを継続してまいります。

調達力の強化: 継続的なパートナー企業開拓と密接な連携、およびカルチャー共有の強化により、お客様の需要に応じた迅速かつ安定的な人材供給体制を構築します。

技術蓄積・教育・作業者評価の強化: 案件内容からの技術吸収はもちろんのこと、メーカーカルチャーやポリシー、作業ノウハウも含めた技術教育を深化させます。また、作業者データベースを充実させ、現地・コールセンター・顧客評価を踏まえた作業者評価を徹底することで、サービスの品質を均質化・向上させます。

透明性の確保: 価格改定の背景にある当社の経営状況と、その必要性を明確にご説明し、お客様との信頼関係を維持します。


4.今後の対応について

個別の価格交渉につきましては、当社の財務状況とサービス提供の継続性を鑑み、特に平均単価から乖離したお取引に関して、集中的な見直しをお願いしたく存じます。

企業規模感、商流を鑑み、大企業で、よりプライムの受注先に近いお取引先様からご相談させていただき、2次請け3次請け等のお取引様には、実情に沿った無理のないご相談やスケジュールにてご対応致します。

過去の未反映分を一気に反映させるのではなく、市場環境(春闘の結果、最低賃金の価格改定時期等)の変化に対応するため、今後は定期的かつ継続的に単価改定についてご相談させていただく機会を設けていきたいと存じます。過去の未反映分及び、当社平均との乖離が大きなお取引様においては、年間複数回にわたる小さな改訂を繰り返す対応等も柔軟に取らせていただきます。

当社の事業の持続可能性と、長期的なパートナーシップを築くための不可欠な措置として、ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。