2025年9月4日

インターン生へ贈る「自分だけの物語」

日向です。

8月は子どもたちの夏休み期間だったので、愛知で仕事をし、できるだけ出張を避けました。でも今月は出張の予定がぎっしりです。日本全国、本当に暑いですね。逃げ場はないのでしょうか?来週の北海道は少しは涼しいかもしれません。


さて、先月から来月にかけて、当社ではインターン生を受け入れています。26卒の採用もほぼ固まってきた時期ですからね。これからインターンに臨む学生さんも多いと思うので、何か少しでも参考になることをお伝えできればと思い、ブログを書いています。

まず、一つ目の提言は「目的意識を持つ」ことです。正直に言って、「企業で働くってどんな感じだろう?」「社会人ってどんな雰囲気なんだろう?」、あるいは「就活のネタになるかな」といった目的でも構いません。飾らず、正直で、それでいて積極的に学ぶ姿勢が大切です。

次に、「成長にコミットする」こと。これは目的意識と表裏一体の関係です。「このインターンを通じて、何か経験や気づきを得て帰るぞ!」という強い気持ちを持つことが重要です。インターン後には、会社や学校で「振り返り」をすることがあると思いますが、その場で語れる何かを自分なりに掴んで帰るつもりでいましょう。そして、それを「言語化」しておくこと。まさにそれが、就職活動の際に役立つ「ネタ」になります。

そして、できれば「自分がお世話になる企業に何が残せるか」という視点を持ってほしいです。企業側だって、インターン生を受け入れるには、人材やスケジュールの調整などコストがかかっています。当然、企業側の思惑もあります。例えば、「いつも採用でお世話になっている学校へのお礼」や、「このインターンから採用に繋がってほしい」といったものです。

もちろん、インターンに参加して「この会社に就職したい!」と思い、企業側も「ぜひ来てほしい」となれば何よりです。しかし、そこまでいかなくても、インターン生として会社に貢献できることはたくさんあります。直接的なフィードバックをくれるだけでも企業にとってはありがたいですし、さらに言えば、キャリアセンターで良い感想を伝えてくれたり、友達との会話で話題に出してくれたりして、その友人が応募してくれたりしたら、本当に嬉しいものです。どうすれば自分がこの会社に貢献できるのか、ぜひ考えてみてもらいたいと思います。



最近、私がもらって嬉しかったフィードバックは、やはり採用に使える「ナラティブ」をもらった時です。ナラティブとは、自身の経験や解釈を通じて、聞き手の共感や信頼を呼び起こす「物語」のことです。

最近の例で言うと、我々が数年かけて行っているGIGAスクールでの端末配布プロジェクトがあります。現在、「NEXT GIGA」という新たな展開を進めているのですが、ある2年制の専門学校生は、なんと中学時代に私たちから端末を受け取った世代でした。IT教育がGIGA構想で大きく変わったのを体感した年代です。それが今回、今度は自分たちが端末を設定し、配布し、学生がそれを使っている様子を見るという経験ができた。これは、体験に基づいた非常に強い物語になります。聞いていて感動しました。自分たちの日常に彩りが加わるのを感じますよね。


先日、夏休みにカンボジアでインターンを体験した学生さんの振り返りをオンラインで行いました。日本の学校経由で参加するインターン生に比べ、自分で海外インターンを探し、2週間カンボジアでタフに生活して帰ってくる学生は、もともとの素地や感受性の強さを感じます。その学生さんにした私のフィードバックは、こんな感じでした。

「日本では30歳前後で結婚し、第一子をもうけることも多いけれど、カンボジアではまだまだ10代で子どもを産むことも珍しくない。世代交代のスピードが倍くらい速いんだ。
僕らがお父さんになる頃に、同じ世代のカンボジア人はもうおじいさんになっている。
ポルポト政権下で多くの知識人が殺害されたという特殊な歴史を持つこの国では、長い間、社会を正常に運営できない状態が続いていた。
そこから、若い知識人が急激に台頭し、教育の重要性を説き、インテリ層の若者が社会に増え始めた時代でもあるんだ。
人間社会が指数関数的に進化するこの時代、ひいおじいさんが何世代も同じ職業を継ぎ、お父さんが一つの職業を経験し、そして僕らや若い世代は一人で複数の職業を経験するような時代になった。
それは、経験というものの価値が損なわれ、リアルな体験から自分で感じ、学べる力の強い人の価値がより高まる時代だ。
カンボジアでのインターンは、まさにその一歩先の未来の価値を体験しやすい場所だと思う。今回の経験が、君の人生に活きるといいね。」

そういうことなんです。