2025年10月28日
日向です!
10月。東名阪で受け入れている専門学校のマンスリーインターンの最終週になりました。
振り返りのフィードバックと共に、私が考える「企業からみた福利厚生費」をインターンの子達に話しているのですが、それをブログにも書きたいと思います。
企業経営において、投資先は多岐にわたります。「人・モノ・カネ・情報」といったリソースの中で、最も未来へのリターンが大きいのは、やはり人への投資です。
長らく、給与は「過去の成果に対する報酬」という側面が強かったでしょう。しかし、現代、特にインフレーションの影響下においては、給与の一定部分はもはや単なる成果への報酬だけではなく、「未来の成果への期待」、つまりは「投資」として支払われていると捉えるようになってきました。
労働者の「見えない資産」と企業の役割
ただ、給与として支払われた資金は、労働者の自由な消費に委ねられるため、必ずしも企業が期待する「投資」に繋がらないこともあります。
ここで、労働者個人の視点に目を向けてみましょう。個人もまた、本質的には企業のようなバランスシートを持っています。その資産側には、預金のような換金資産の他に、目に見えない、より重要な、お金に換算しづらい不可視な資産があります。
それは、技術、経験、人脈、健康、そして信頼等です。これらが豊富な人ほど「人的価値」が高く、将来の収入を膨らませるための不可欠な資産となります。
従来、これらの無形資産の形成は、労働者本人の責任で行われてきました。しかし、「人的資本投資」の概念が広がる今、企業もこの個人のバランスシートの不可視資産、すなわち技術・健康・人脈の向上、あるいは負債(例:奨学金)の償却に、直接資金を投じるようになりました。
目的を持った投資としての「福利厚生費」
その具体的な形こそが、「福利厚生費」です。
福利厚生費は、企業が明確な目的と戦略をもって、労働者にダイレクトに「投資」できる資金です。これにより、給与では難しかった、特定の能力開発や健康増進、エンゲージメント向上といった目的に資金を充当することが可能になります。
当社の具体的な投資例は以下の通りです。
□技術・知識への投資: 資格取得支援制度
□健康・活力への投資: 健康増進手当、予防接種補助、昼食代の補助(健康的な食生活の促進)
□人脈・エンゲージメント向上への投資: メンター制度における食事代補助、家族の記念日へのプレゼント(公私両面での充実支援)、リファーラル制度
□未来の負債圧縮への投資: 奨学金返済補助制度(若手社員の経済的な基盤強化)
当社では、より高い顧客満足度を出しているサービサー、当社へのエンゲージメントの高い人材にはより手厚く効果的な投資を行います。一方で、保養所やカタログギフトのような「投資効果が不透明」な、世間一般によくある福利厚生には、正直関心が持てません。
形式ではなく本質を問う
世間では、人的資本投資というと、やれKPIを作ってエンゲージメントスコアや残業時間、育休取得率を可視化せよ、といった「公表のための形作り」に追われがちです。
しかし、本質はそんなところにはありません。
人への投資は、働く社員に喜んでもらい、活力を生むのは当然のことです。しかし、最終的に求められるのは、その投資が「事業への貢献」、つまり「投資結果としての業績向上」に繋がることです。
当社の福利厚生費は、単なる手厚い待遇ではなく、社員一人ひとりの人的価値を高め、その結果として会社の未来を確かなものにするための戦略的な「人的資本投資」であると強く認識しています。この福利厚生費への考え方こそが、私や当社の社風や事業戦略を色濃く反映させているものであり、社員にもお客様にも選んでもらえる会社に成長させる原動力になっていっていると思います。
って、この考えって良いなーって思わないかな。
私が、一個ずつ限られた予算の中でできる福利厚生を、会社の成長と共にずーっと考えて、実装してきて、至った想いと、伊藤レポートが出た流れの人的資本投資ってこういう事だよなって、整理したんだよね。個人の不可視資産の項目の中には、最近「幸せ」も入るなーって思う。そこへの投資がホントは一番効果があるんよね。