2005年2月15日

《感動よ。》

昔の話。
私はグランドキャニオンにいた。
あの感動をどう表したら良いのだろう。
朝日が地平線に昇りだすその一瞬一瞬で、谷の色が変わっていく。
広い。
そして深い。
キーンと冷え切って、静まり返った大気の中で、自分の呼吸と心臓の音だけが耳に残る。
動けない程の感動。
涙がこぼれた後に、その理由を探す。
握り締めたこぶしが震えているのに気が付く。
うれしくって笑う。笑いがこみ上げる。哄笑。
一つの想いが自分の中に響く。
「そうだ。ここがスタートだ。」
いつかまたこの景色を見る。見て、そして今度は何を感じるのだろうか。
ただ、感動に震えて、何も出来ずに大きく笑ったあの日。
いつかまた。