2006年10月20日

クレームの対応

「社長になると責任を一身に背負うことになって大変でしょ?」
という話をよく聞く。
うーん。大変だけど、責任が取れる立場というのはとても楽なものだと思う。
自分が前の会社にいて、一番つらかったのは、自身の誠意と会社の方針が食い違ったとき、そして会社の方針が何度も転換したとき。
何か問題ごとが発覚した場合、トップのとるべき指針としては、
1.まず結果責任、生じたことについて誠意を持って謝る。
  原因が自分達に無かったとしても、「謝り損」はないのだし、結果についてきちんと受け止めることが関係者を大切にしていることにつながるから。
2.そして、原因は徹底的に詰める。その間は軽はずみなコメントをしない。
  何度も見解を翻すと結果的に「コロコロと云っている事を変える人」と云う事で、発言に信頼を置いてもらえなくなる。
3.一方、経過報告は確実なものから早めに発表する。
  「何もしていない」と思われるのもマイナス要因になる。2番と相反する事もあるのだけど、わかった事実はどれだけ悪質であったとしても隠さず出す。ここの報告部分で影響を考えてはいけない。
4.総括する。会社としての方針が定まったら総括を行う。全てを納得させることは困難だが、誠実であることとフェアであることを一義とする。反省を通して改善すべきところは改善していく。
こんなところだろうか。
ミスやポカに関しては、影響が深刻でもフェイルセーフを考えたりコストとのバランスを改めたりすることで対応もできるし頑張りようもある。
困るのは道義的に悪質なエラーだ。これは反対に些細な事でも見逃してしまうといづれはドえらい事になる。これは絶対になる。
企業体としてはつらいし、説明することで確実に評判も落ちるけれど、誠意を持った自浄がはかれないのでは救いようが無い。
と、書いて見たものの、やはり自分で「誠意を持って謝ろう」と思って、それがそのまま会社意思というのは、とても楽だと思う。