2007年1月8日

ローボール

経営者をやっている以上、日々大小様々な交渉が生じる。
信頼関係を築いていく上で、win-winの条件で取引するように自分ではいつも心がけているし、当社に協力していただくサービサーや逆に当社からお願いしている協力スタッフ達にもフェアプレイを心がけて欲しいと思っている。
しかし、世の中には色々なタイプのマーケッターがいるし、営業のカラーやスタイルは様々なのも事実。望むも望まないも無く心理戦に持ち込まれる事も多い。
そんな中で、「フット・イン・ザ・ドア」「ドア・イン・ザ・フェイス」「ローボール」「ブーメラン法」のような小手先の交渉術に出くわす事も実際にはたくさんある。
私は、お付き合いするならお客様であれ業者であれ、長く誠意を持って付き合いたいと思っているので、テクニックでカバーされたアンフェアな取引というのは、するのもされるのも気分が悪い。
上記の手法の中では、「ローボール」が一番誠意がないと思う。クロージング後に相手の誠意に漬け込んで条件を変えるのが平気な人と私は付き合いたくない。
たしかに一旦承諾した事は、やり遂げてあげたいと思うものだが、条件が変われば当然「仕切りなおし」である。親しくなった取引相手に承諾後仕切りなおしを告げるのは気が重い。
それでも、経営者であれば、必ず再交渉して仕切りなおす必要がある。社長が「高額商品を諾々と売りつけられて泣き寝入りする被害者・・」では、身を預ける社員がたまらない。
だからこそ、こうしたテクニックは存在するのだと思うし、交渉相手に心理的な負担を平気でかけるこのようなテクニックはアンフェアで誠意が無いと思うのだ。
さて、これって実は、経営になると自分が「買い手」の時だけの話じゃないんです。「売り手」の時にかけられる事もある。つまりサービスは提供したのにお金がもらえなかったり、金額が決まった後にその金額の範囲で追加サービスを要求されたりというパターン。
経営をしていれば、色々な立場や状況が想定されるから、ネゴシエーションの全てを否定するわけじゃないのだけど、「win-winの信頼関係を築こう」という意思がなくなってしまったら、お互いにとってメリットが無い。
うちの関係者はみんないい人。「自慢のお客さん」だし、「どこに紹介しても恥ずかしくない協力会社」で構成されてる。だからみんな気持ちよく仕事できる。
そーいう関係を創っていかないとね。
本当に信頼があれば、テクニックなんていらないんです。