当社が利用しているレンタルオフィスの社長さんのコラムを読んで一つ。
http://www.hakuoh.co.jp/column.php
そう。まさにそのとおり。
自分がお客様サイドの時には、ニコニコと丁寧な人であっても、タクシーやウェイターや下請け業者になるととたんに横柄になる人がいて、私もそんな人と付き合いたいとは思わない。
さらに、私が「社長」であることをどこかで知った後に、もう一転して丁寧になられても、その人の本性は知った後だ。私は私に丁寧に接して欲しいわけではない。クライアントやヘルプセンターであれば、うちのスタッフに「丁寧に対応していただいているか?横柄に命令しているか?」ということが重要であるし、うちのスタッフであれば、お客様に対し「マナーを守れているか?不快な言動や態度を取っていないか?」が重要なのである。
だから、私も電話を取り次いでくれる人、受付で対応してくれる人、一人一人に丁寧に接する。
当然、普段から心がけるようになる。お店で「ご馳走様です。」タクシーで「短い距離でもよろしいですか?」つまりは、心がけである。
一回、きちんとした会社に勤めた人ならわかるのだ。
「何かを繋いでくれている人は機械じゃない。」一人一人が何かを感じ、その後の大きな仕事に響いていくということを。

多量の雑務を一人で抱え続けてはいけない。
以前から改革の必要性を強く感じていたことである。
いつも気になっていたのはコスト。
十分に必要性は感じながら、それでも専任で事務スタッフを用意する訳にはいかない。
そこで我々が決意した答えは、「信頼できるスタッフに少しづつ雑務を割り振るしかない。」というものである。
分業の効率性から考えれば、望ましい方策ではない事はわかっている。しかし、我々の、何よりも私自身のキャパティシーを越えてから手を打つのでは遅いのだ。
いずれにしても将来うちの格となる人材にバックを経験してもらうのはマイナスにはならない。
まだまだ「自分が行った方が正確で早い」と感じることも多いだろう。しかし、「信頼して任せることができる」というのは組織管理者として必須の能力である。
新たに発生する負荷に対しきちんと目に見える形で評価できるかということも、任せる側が担う義務となる。
今十分に報いることができなくても、自分たちが関わる組織なら報いられるかもしれない。そんな可能性もバックに携わる魅力の一つではないか。
初めて向かえる過渡期といえる。

事業というのは、絶えず何かしらの条件との戦いである。
「余裕資金が100万しかないから、月20万1人にかかるとして1日5人以上使えない。」や「業界全般的に暇な時期だから、仕事を取ってくることができない。」など、当社規模ではどの段階でもそれぞれの悩みはそれなりに深刻に起こりうる。
しかし、そこを「とりあえずBしてみる。Aが必要であれば、必要な時点で何とかAする。」という発想こそが、明確な実行力につながるのだと思う。1日5人、と縛ることからはじめるのではなく、依頼がくればまず請ける。その結果資金がショートしそうなら、補充する方法を考える。補充もできそうに無いなら、その後の人員を調整してみる。つまりは後ろで発生するリスクを恐れずに進むことだ。
仕事が無いのを時期のせいにだけしないで、クライアントを増やしてみる。地域を広げてみる。という努力をまず行うことだ。実行した結果ダメでもそれはそれでいいのである。動いた分の表面部分が「攻めいている」印象をまわりに与えるのだし、それが今期待するものに達しなくとも次に活きることにつながる。
さて、こんな書き方をすると、「条件など考えずDo It!」と聞こえるかもしれないが、そうではない。責任者はリスクを管理する義務があるからだ。無策で走った結果、どうにもならなくなる。というのであれば、管理者失格である。Aに限らず、起こりうるリスクは想定し、できれば解決する方法を考える。が、Aを知りつつそれでもBする。Bをした以上、なんとかAする。もちろん走り出したB自体、当初の予定通り行かなくなることもある。ぶれることもある。
しかし、次を望むなら、ぶれることを恐てはいけない。歯を食いしばって行ったBはきっと次のステップを導いてくれる。

私は計画しない。
実行することを旨として、日々ギリギリで優先順位を切り替える。計画しないが、マネジメントを放棄しているわけではない。私が管理すべきものは計画ではなく「時間」である。
世に多くのものが市場原理に従って需要と供給のバランスを得る。しかしながら、時間については需要は無限大に増えても、供給はこの上なく固定的だ。お金などの高価な代替する財によってすら交換することも蓄積することもできない。まさに過ぎ去るのみ。言い換えれば消費されていくのみだ。補充の利かない最重要財である。ただできる事は、定量である時間というものを「より消費しなくてすむ手法」を駆使するのみである。
私は時間を大切にする。大切にしたいのは私の時間だけでなく、クライアントであれスタッフであれ、関係者の時間は須らく大事にしたいと思っている。
だからこそ、クライアントであれスタッフであれ、他者の時間に鈍感な人とは非常にビジネスがやりづらい。
時間に遅刻するスタッフ、指示する仕事も無いのに無駄に残業させるクライアント、時間どおりに始まらない終わらないミーティング。そうした事案について当社はきっと優しい企業ではない。
人の時間を大切にできる。関係者全員そう思ってもらえれば、「能率」を声高に叫ぶ必要も「計画」を机上で描く必要もきっとなくなるだろう。

2005年7月16日

《広報》

有限会社トライアンフ代表の日向正嗣と申します。
先週の土曜日と本日、クレースプランナース様主催のセミナーに参加し、フジサンケイビジネスアイの方のお話を伺いました。
参加者は10名程度で各社十分にご意見などを伺うことができ、また、現場の厳しい判断材料などをご指摘いただき、本当に内容の濃いセミナーだったと思います。
ビジネスアイさんのお言葉を信じてよいならば、近日中にプレスリリースすることができると思います。
と、さて、ここまではイントロダクションで、感想など本音で述べていきたいと思う。
まず、当社のPCセットアップサービスを今回のプレスリリースのトリガーとして「フィールドチェンジ・アドオン」とした。「拡張機能がついた現地作業」のような意。単なるアウトソースではなく、クライアントの姿勢にたって付随する雑務や運搬も行いますよ。という、云わばいつもやっているサービスである。
ここまではよいとして、私はあまりマスコミの為に仕事をしているわけではない。という事を再確認する機会となった。実は、当社を作る前、「○○○の虎」という某番組に出演しようとし没になった経験がある。今のビジネスとは種類も違うが発想としては同じで、ローリスクミドルリターン、華やかではないものの十分に採算ベースに乗るであろうプランであった。落ちた理由は明白であり、「魅せるビジネス」では無いからだ。
今日のビジネスアイの方も当然「載せるに足る面白さ」を持っているか?を検討しているのだろうが、一つ気になることがあった。クレース社長が言うように、取材を受けるためには取材する側の気持ちになってアピールしなければならない。ということは十分に理解できる。ビジネスアイ取締役の方の、「ラブレターだと思って書いて欲しい。」という言葉からもなるほど、当社の独りよがりな記事など読者も読みたくあるまい。
我々プレスリリースを伝える側の姿勢はそれでいいとして、マスコミ側伝えられる側の姿勢はどうあるべきだろうか?もちろん、普段の業務で何百通とくるプレスリリースを中で絞り込む段階で、たいして読まずにゴミ箱行きの原稿もあるだろう。私達だって、会社に送られてくるダイレクトメールはよほど的確に欲しいものでない限りすぐに捨ててしまうから理解できる。
しかし、今日のような場所で熟読して欲しい原稿を果たしてきちんと読んでくれただろうか?
忙しい本業の合間を縫って、時間の赦す限り推敲した分である。フォーマットがなんであれ、掲載・非掲載はとりあえず何よりもしっかり読んで欲しい。帰り際に「結局、ええと何のサービスなんですか?」とのご質問をいただいた時には、正直がっかりした。
昨日仕事が終わって家路に着き、ビジネスアイさんの紙面を組まなく読んだ。「ここに載ったらいいな。取材する側や読者はこんな成功例を読みたいんじゃないかな。」会社の看板を背負っている自分なりに一生懸命考えて書き綴った、正しくビジネスアイさんへのラブレターである。
DMと同じ感覚で読まれているのかと思うと、本気で如何にも残念である。
しかしながら、広報担当者として、経営者として、感情はともかくプレスリリースは重要事項である。公共性が増すごとに、会社の信頼というものは増すからだ。一方通行かもしれないが、会社のプライドを綴ったラブレターを作った。渡した。あとは当社の事をどれだけ理解していただけるかだけだろう。
ともあれ、掲載・非掲載という意味以上に、今回のセミナーは多くを学んだ。またビジネスアイ取締役の方に出会えて、その考えを聞けたのは本当に一つ大きな視野を手に入れる事ができたと思う。ビジネスである限り、情より利を取りに行くのは仕方が無い。利がかみ合わない事もまた仕方が無い。しかし、たとえ私の考えとは相容れない事、納得できない事だとしても、本音が何処にあるのか、何を求めているのか、という事を知りえた事は何よりの財産になるだろう。
希少な体験の場を作っていただいた「クレースプランナース」「フジサンケイビジネスアイ」の方々に心から感謝して。