正論を吐くことは実は難しいことではない。
実践することが難しいのである。人がやっている事を見て、ヨコから批評することは本当に簡単だ。しかしそれを実践するためには、いくつかの問題点を超えなければならないし、お金も時間もかかることになる。なによりも、プランニングするのは楽しい作業だが、実行するのは地味で面倒な作業であるのだ。
ベンチャーなどというものはその典型で、いわゆる「大人」からしたり顔でアドバイスを受ける機会は非常に多くある。しかし、「そこまで云うなら実際にやってみてください。成功報酬でギャラは払います。」というような話や「自信のあるプランなら資金を出してください。回収資金の何パーセントは報酬でお支払します。」という提案には誰一人として乗らない。
私自身は普通の経営者であり、高邁な理想や卓越したアイデアがウリなわけではない。信頼していただいたお客様に精一杯応える仕事をする。いい仕事をするために、良い人材を集める。人材を効率的に活かす為、組織作りに腐心する。やりたいことが全てできるわけでも、必要なことを全てやっているわけでもないが、大切なコトを順番に仕上げていっているのだ。
私自身がやりたい事は、まず自分が誠意を持って手がけている。だから口を出したいのであれば中に入って自分でやるか、何も云わずに資金を出して欲しい。
ベンチャーに批評家は要らない。

いよいよ、私達のお仕事で一番忙しい季節、「夏」がやってきます!
この季節をどう乗り切るか?で今期の成長を占うことができる。その夏の中核が「8月」なのです。
8月を乗り切るために、様々な工夫を試み、そして急成長を支える下準備をしてきました。その下準備の締めくくりが、このキャンペーンです。
「大阪オフィス、スタートアップキャンペーン」
コンセプトは『一番忙しいこの刻に、最高にリーズナブルな価格で。』
期間:8月1日~8月31日
金額:1人12000円/日 (税別600円+交通費等必要経費)
スタッフ募集ページをご覧いただければわかるように、当社ではスタッフの品質を担保するために1万円超の日当を提示しています。それでも、これからの「大阪」をガッチリ掴むために当社ができる、ギリギリのキャンペーン。
たくさんのお客様がご利用いただけることを祈って。

2005年7月24日

《財務》

経営を司るものとして、次代のステップを踏むためにどうしても乗り越えなければならない壁がいくつかある。
その一つは間違いなく「資金」の壁だろう。
特に当社のように小資本から始めたベンチャーであれば、間違いなくこの壁は厚いものとなるだろうし、財務に弱い経営者では勢いがあるほど危険でもある。
なぜなら、小さな規模で軽いマイナスが生じたとしても、「自分の給料を遅らせる」や、「自分の貯金を取り崩す」といった、社長マターで解決が可能であるステージから、一気に個人ではどうにも解決できない金額へ踊りだすからである。
当社の「今」はまさにこうしたステージであり、今期はこのテーマとの戦いになるのではないかという危惧もある。
解決するために考えなければならないことはいくつかある。
一つは月次の資金の出入りを詳細に掴む事。一つは請求書などはなるべく前倒しで処理し、ワントラブル起きても入金が遅れる事態を避ける余裕を持つこと。一つはあまりギリギリの勝負をかけないこと。短期資金を調達する手法を確立すること。そして最後に、これが一番大事なことだが、財務に強い人間を入れること。
入り口でいつまでも躓いているわけにはいかない。

世間がきちんとしている、と思っている会社であっても内情は目も当てられない。という事は本当に良くある。どの会社であっても理想とするところが10点であって、最低限守っていて当然だろうというラインを5点とすると、3・4点といったところではないか?
どんな企業家であれ、経営者であれ、目指すところはもちろん10点であろうが、それでも3・4点で留まるのはなぜだろう。
一つはコストの問題である。世間が常識と思っているサービスのコストは、常識よりはるかに高い。大きな企業であれば、大量生産や豊富な現金取引、ブランド力によってコストを引き下げ、さらに表面上は常識の仮面をかぶることが可能だ。
もう一つは、人材の問題である。世間が常識と思っているサービスを担う人材の質は、仕事人として自分が客観的に評価されている質よりもはるかに高い。つまり、自分にはできそうに無いサービスを人には求めてしまうものなのである。
つまり、資金も人材力も乏しい小さな企業が、世間から最低限と見られる5点を取るのは本当に難しいことなのだ。
さてここまで書いていて、自分の会社を振り返ってみてどうだろう。やはり最低限にまでまだまだ届かない。きっとまだまだお客様にもスタッフにも迷惑をかけてしまうだろう。しかしながら、いや、だからこそ、頑張らねばと思う一方、多くを期待してしまう。
当社はまだまだ働いてくれるスタッフにもっと多くの報酬を出していきたい。たとえコストが高くなっても、サービスの質を高めるために、人材の質を高めるために。
それにはまず、自分の質を高めることだ。自分が動けばコストは下がり、サービスの質が上がる。背中を見せることからはじめよう。いつか続いてもらうために。
そして眠れない夜は続く。

当社が利用しているレンタルオフィスの社長さんのコラムを読んで一つ。
http://www.hakuoh.co.jp/column.php
そう。まさにそのとおり。
自分がお客様サイドの時には、ニコニコと丁寧な人であっても、タクシーやウェイターや下請け業者になるととたんに横柄になる人がいて、私もそんな人と付き合いたいとは思わない。
さらに、私が「社長」であることをどこかで知った後に、もう一転して丁寧になられても、その人の本性は知った後だ。私は私に丁寧に接して欲しいわけではない。クライアントやヘルプセンターであれば、うちのスタッフに「丁寧に対応していただいているか?横柄に命令しているか?」ということが重要であるし、うちのスタッフであれば、お客様に対し「マナーを守れているか?不快な言動や態度を取っていないか?」が重要なのである。
だから、私も電話を取り次いでくれる人、受付で対応してくれる人、一人一人に丁寧に接する。
当然、普段から心がけるようになる。お店で「ご馳走様です。」タクシーで「短い距離でもよろしいですか?」つまりは、心がけである。
一回、きちんとした会社に勤めた人ならわかるのだ。
「何かを繋いでくれている人は機械じゃない。」一人一人が何かを感じ、その後の大きな仕事に響いていくということを。